第235期予選時の、#5あと6センチの夜(朝飯抜太郎)への投票です(2票)。
冒頭のアルゼンチノサウルスといい、読み手の意識のずらし方とか、見せる部分と見せない部分の選び方にセンスを感じる。
登場人物が二人なのでどうしても語り手が犯人に思えてしまうが、たぶん違うのだろう。少しもやっとしたが、これは読み方の問題。
参照用リンク: #date20220423-130511
本当は恐ろしげなはずの話が妙にほのぼのとしていて良かったです。4tトラックは積載量が 5t未満で総重量は 8t未満とか、アルゼンチノサウルスは一個の脊椎骨が 130センチあるとか、妙な勉強もさせていただけました。
『いびき』は短くシンプルで絶妙な落ち、そのぶん、もうちょっと描き込んだものを読んでみたかったです。
『はぐれ島』は面白く、わくわくして読んだのですが、結末で”そこで放り投げられても”と思いました。骨がないということは前の人は脱出できたのか、埋葬されたのか、殺されて骨まで啜られたのか、思わせぶりなところが良いのかもしれませんが…。
『子どもを買って育てる』はなんとなくうまく落ちたようにも思いましたが、語り手がなぜその少年を買ったのか、“子供を買う”ということがその世界でどのようなことかが今ひとつ分からず、残念に感じました。別に子供が生まれていたら新たな愛憎も生まれていたでしょうに…。
『純白雪姫』は過去作の『シンデレラックス』と比べると単なる風俗ネタに堕していて残念でした。
『そういうこと』はすみません、分かりそうで分かりませんでした。青年が、食事を用意してくれる近所の男性に想いを持ちつつ、なんとか諦めようとしているのでしょうけど…。同性愛者が異性の人と結婚して子まで持つことも実際によくあるそうです。
参照用リンク: #date20220414-094218