第233期決勝時の、#8いつか王子様が(euReka)への投票です(3票)。
作中世界はぜんぜん救いのない感じなのに読後感が良いのは、王子様の裏表のない清々しい素直さと、それに救われているだろう主人公のせいだろうか。王子様は、ノブレス・オブリージュのために世界を回っていたのかな。
王子様と二人になったら、共通点がなさ過ぎて、どんな話をするんだろう、嫌だなという気もするけれど、案外、普通にいろいろ話を聞いてくれるのかも。良いとか悪い判定されずに、どう思われるだろうとか考えずに、話せるとしたら、それは本当に救われるのかもしれないと思った。
三作品の中で、読み直して一番すっと入ってきた気がするので。
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作者も、執筆時に世界がこのようになるとは考えてもいなかったでしょう。王子様は「彼らの話をただ聞くだけで、他には何もできなかったよ」と言いますが、“いのちの電話”というシステムがあるように、それだけでも多くの慰めとなることがあります。その仁者と再会し、カップ麺だけでなくカレーライスでももてなせるようになった少年は大いなる喜びを感じたことでしょうね。
『あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる』については、予選で様々な感想が寄せられていて、むしろそちらを興味深く読ませていただきました。お金持ちのご婦人方はつなぎを着て掃除機を振り回さないと思いますが、それは偏見かもしれませんね。
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