第20期決勝時の「なし」票です(4票)。
残念ながら、なしということで。
「ぽん!」は世界観の構築が少し物足りない気がするが、ショートショートとしては悪くないと思う。「ショートショートの広場」とかに応募しちゃえよ、なんて言いたくなる。
「谷間にて」は、上手いとは思うけど、面白いとは思えなかったので選外。創作についての哲学というか、作者の自我が前面に出すぎている気がする。それはそれで興味深くはあるけれども、エッセイとならともかく、小説としてはどうかな、と。もっとわからないくらいに「加工」をすれば、あるいはすんなりと読めたかも。
「火星少年」は、外的ショックのために精神を病んでしまった子の話、としてしか読めなかった。物悲しさは魅力ではあるけど、もうひとひねりのオチが欲しかった。
「ハレとケ」は、端的にいってどこが魅力なのかよくわかりませんでした。
参照用リンク: #date20040422-185810
予選で推した作品が残らなかった場合どうしたらいいのかしらという思いがあり、これまでは改めて決勝進出作品の中から選び直しておりましたが、今回は「なし」を試してみることにしました。
参照用リンク: #date20040421-013309
個人においても、作品書いてみて、水準以下だと思ったらボツにすることはある。書いてみないとわからにゃい。書いてる時はそういうつもりでなくても、書き上げてみて、ボツにせざるを得ないことはある。
これが個人でなく『短編』のようなコンテストでも同じではないか。余りにひどければ「優勝なし」の判断が出来るということも競作の場にとっての一つの自浄機能であろう。別になにがなんでも否定しているわけではない。過去の経緯というかこれまでの私の発言を知っている人はまあいるだろうし。一応理由はここに http://www.geocities.jp/bxigtrs2000/
というわけで、なし。
参照用リンク: #date20040420-031838
今回は残念ながらどれも推せない。
「谷間にて」断絶されたリアルから幻想の世界へ早々に主人公を投げ落とし、朝の訪れという単純な理由づけでまた引っ張り上げる。リアルと幻想の境目にあるべき緊張感、ふたつの世界を融合させるべき妙味がない。
「ぽん!ぽん!ぽん!」なぜあいこになって笑いあうのか分からない。ジャンケンに国益を賭ける人々を翻弄する、ということに同志意識を抱いたのだろうか。いずれにしても風刺やウィットを狙ったのなら不完全。膝を叩けない。
「火星少年チャーラン・プー」もうひと伸び欲しかった。この作者の過去作にはすばらしいものがあるので優勝してもらいたいという気持ちはあるが、そのような理由だけで投票することはためらわれる。
「ハレとケ」ぜんぜん悪くない。だが、結末、というか話の核をにごすフェードアウト的な手法がこの作品に関してはふさわしくないと感じた。糸止めとして、ハッとするような何かの告白・心情の吐露が来て欲しかった。
今期優勝すべきだったのは、「アメリカひよ鳥」。残念。
参照用リンク: #date20040415-221750