第193期決勝時の、#2ロストマン(霧野楢人)への投票です(4票)。
なんか最近純粋な評価ができなくなってしまったようで、しばらくは投稿を控えて投票に専念しようと考えいます。3から5人の評価で優劣を付けるのにも少し違和感を持ちはじめました。
それで感想ですが、自分が好きだと感じた作品にしました。
参照用リンク: #date20181107-210259
機械の妹
展開が早い。年をとったせいか、早さについていけなかった。
欲望が小石という発想がおもしろかった。
死、再生、結婚といった神話エレメントが並ぶとこれはもう読者が人間だったらなんとなくおもしろいと思うでしょって思った。
ロストマン
抑圧的な会社、友人との再会、仕事辞めて解放。思い出をつなぐコンパス。
そうそう、こうやって出来事の間に感情を流し込むことによって、人間は物語を作っていくのよね。で人生に意味を見出す。見出すというか見出さずにはいられないというか。
これも要するに死と再生みたいな話で、こちらのほうが印象が強かったかな。
ちょっと情報量が多くてノイジーに感じたかな。
例えば名前なしで、係長と課長でも通じるし。人事がどうというのも会社のめんどくささをあらわすのに必要だけど、長すぎじゃないかな。
そういう冗長を削った分、後半の自然の描写を多くしたほうが、解放感が強まって快楽が深くなるかなと。
これはおそらく、私の進路が彼女の影響を有意に受けていることを示唆する。
みたいな文章があって、おそらくと示唆って意味かぶるからどっちかでいいし、でも有意って言ってるのに示唆? とかも読みにくかった。
推敲が足りてないのかも。
参照用リンク: #date20181107-061759
予選の感想でも書いたが、昔の友達や仲間が、昔使っていた道具をいまだに持ち歩いていたという部分に共感を覚える。人間は歳を取るにつれて変わっていくものだけれど、大切な部分は変えたくないし、友達や仲間に対しても変わってほしくないと願うものだ。あるいは、友情というものは変わらない部分がどこかにあるからこそ成立するものだとも言える。そしてこの作品では、〈変わらないもの〉を象徴するアイテムとしてコンパス(方位磁針)が登場するというのも、なかなか気が利いているなと思う。主人公は、会社での先行きに不安を感じていたその時期に、昔の仲間が持っていたコンパスという方向を示すアイテムに再開したことで、自分の進むべき方向が見えてきたという流れになっているようにも思える。なので物語の流れとしても、コンパスというアイテムが重要な役割を果たしているような気がする。
しかし、この作品は完成度があまり高くないという点がマイナスになる。予選の感想では、小説としての設定がよく分からないということを指摘した。そして、改めて読んでみて気になったのは、第一節の二段落目の初めに出てくる「帰りに吉村に会った。」という部分であり、何の説明もなくいきなり「吉村」と言われても何のことなのか分からない。続けて読んでいけば「吉村」なる人物が誰なのかは分かってくるのだけれど、読む方としてはよく分からないまま読み進めなければならないというストレスがかかってしまうため、もう少し説明の工夫が必要ではないだろうか。(euReka)
参照用リンク: #date20181104-005609