投票参照

第11期予選時の、#15静かな木(ユウ)への投票です(6票)。

2003年7月8日 22時34分25秒

「22 百万匹 林徳鎬さん」とどちらにしようか迷った結果、こちらにしたが、子供の頃と現在の虫歯の治療は痛み度や不快感が格段に違う。
それを「百万匹」で表現した感覚は凄いと思った。

「静かな木」の辛辣な風刺は「おーいでてこい(星新一)」を彷彿とさせる。これほど見事に換骨奪胎した上で独自性を出している作品は、ちょっと覚えがない。

「ひとむかし前には 『抗菌』 が流行ったこともあるけれど」と現在の出来事が書かれているため、「『消音』 が当たりまえになっている」未来が想像しやすい。
インドネシアでの「コレラに日本人だけがかかる」事件も記憶にあり、行き過ぎることに不自然さや違和感はなかった。

平穏を望んでいながら静かな狂気に至る世界。その変貌を冷静に見ている主人公。
「新薬の評判は上々」という世評を横目で見ながらの「雨音が好きな人は、全国に何人くらい居るのだろうか」という哀感。
素晴らしい出来映えだと思う。

参照用リンク: #date20030708-223425

2003年7月8日 20時29分38秒

ショートショートがあまり好きではない読者にも、ショートショートの要素以外で訴えかけるような巧さがある。

参照用リンク: #date20030708-202938

2003年7月5日 15時32分31秒

「うまいっ」って感じの作品です。
文章も読みやすいし、目のつけどころもすごくいいと思います。

「確かにね」、と思っていることでもやりすぎはいけないよね。
どこかゆがんだ社会のうごきが上手く表現されていて、いい作品だなと思いました。

うん、タイトルにも惹かれました。

参照用リンク: #date20030705-153231

2003年7月4日 18時37分2秒

警報装置が作動すると違う意味で警察がくるのかな、とかくだらないことを考えてしまいましたが、こういう作品で具体的な事例を挙げるのは難しく、また作者にとっては鬱陶しいものだと思います。そこを上手く切り抜けて、漠然とした部分と真実味をもたせるための部分とを見事に組み合わせているセンスに一票。

参照用リンク: #date20030704-183702

2003年7月2日 18時51分54秒

いやこれが案外面白い。「砂のユートピア」「昼の月」の裏ともいえるかも知れない。喪失したあとに今はないものの方への憧憬。

また私は子供のころに読んだ「ちいさなおうち」(絵本)(はじめ田舎の丘の上におうちがあったんだがだんだん街ができ汽車がひかれ工場が出来高速道路が出来るにいたる。で、おうちが引っ越す。もとのような静かな田舎の丘の上に)を思い出した。しかしこの「静かな木」にはそういう救いの手立てはない。そう最後の沈黙はレイチェルカーソンやね。フォークト・カンプフ識別法的恐怖感もある。はあ?

着眼点もいいねえ。いやブレードランナーでも雨というか都市にしたたる露が象徴的だったがこの雨までもっていったところが面白い。

で、感想掲示版にも書いたが【雨音が好きな人は、全国に何人くらい居るのだろうか。】ってこの変にリアリティーのある天気予報のような凡庸感がたまらない。そして【ノーベル賞だとかいう声もあって僕はいやだった。】ってここで僕を対峙させる権威と自己を対峙させる構図面白い。ここにしか’僕’が出てこないんだ。すごく面白い仕組み。

うん。この世界の人はもう、今や、声を出さずに生活しているんだ。この僕がこの世界での最後の’声’だったんだろう。あいや全国で唯一の、か。

面白かったです。

参照用リンク: #date20030702-185154

2003年6月27日 0時49分14秒

 好きな世界。「でも、少しずつ変な方向にすすんでいるな、とは思っていた。」「僕はいやだった。」など安易な表現が目立つが、もっとよくなる可能性への期待をこめて投票。

参照用リンク: #date20030627-004914


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