第1期予選時の、#12不老不死(黒木りえ)への投票です(5票)。
話を流れを、最後の対句のような文にいかに収束させていくかがこの作品の鍵であると思う。この締め方がとてもよいです。全体を見ると粗筋っぽい感もありましたが、そのせいで逆にもう少し長い話で読みたいとも思いました。
参照用リンク: #date20020909-014500
いささか古風なしかけなような気がするが、きれいにまとまっていて、読んでいて納得できた。
この複雑な話を、1000字の中にうまく収めている。
参照用リンク: #date20020905-164623
淡々とした語り口が上手く、物語世界に瞬時に引き込まれた。
物の怪かもしれない女と、一夜の宿を借り、深い仲になった男。女の語る話は、自分の不幸を背負って一緒に暮らす気があるのかを試す呪文のように聞こえる。
「自分を選ぶのか、我が子(と、その母である女)を選ぶのか」と暗に問われた男の顔は引きつっただろう。自分の不実を悔いれば、我が子は救われない。また不実に気づかなければ、たぶん男も我が子も救われない。
どちらの場合でも、女は救われず、雪深い深山で一人我が子の思いを抱いて、永久を生きるのだろう。
押さえられた冷たい文章から、女の情念が吹き出るかのような錯覚を覚えた。
<久遠>
参照用リンク: #date20020903-224754
静かな話の進みかたの中にも、女の母としての愛情や後悔の念や無念さを感じました。残酷な結末であるにもかかわらず、不思議と安らぎすら感じる作品でした。気に入りました。
参照用リンク: #date20020824-100100