第80期 #8

私の愛のカタチ。

否定される言われはないわ、だってこれが私なんだもの…

貴方が好きよ
貴方を愛しているわ
きっと貴方も私を好きになる、きっと貴方は私を愛すようになるわ

ピリリリリー
斎の携帯が鳴った。
「…んぅ、もしもし?ん?」
「誰?」
「ん?彼女だけど」
「そうなんだ、どうなの?彼女とは上手くいってるの?」
私は口元を引き上げ斎を茶化した
「ふっまあね、悔しかったら瑠璃も彼氏つくれよ」
斎はニヤリと私に笑った
「なによーぅこれでもモテるんだから、彼氏くらいつくるわよ」



しばしの談笑のあと私は斎の家を出た。
私達は従兄弟だ、なんら不思議ではないのだ。

「知ってた?斎、従兄弟とは結婚…出来るんだよ?」
閉じた扉に向かって私はそれだけ呟くと歩き出した。

…二週間後。

「はぁ…急に彼女と連絡とれなくなっちまったよ…」
「えー?いつから?」
「うーんもう二週間位…俺…なんかしたかなぁ?」
「もう忘れちゃえば?斎とは最初から合わなかったのよ、ねっ?」
「携帯も繋がんねーしな…はぁまだ二ヶ月だったのによー」
「まあまあ、これでも食べなさいよ」
私は斎の前にカレーライスを出した

「おっ美味そう!」
斎がカレーにスプーンを入れ混ぜた
「なぁ、具肉しかねーの?」
「うーん、お肉が有り余って困ってるの、食べてよ」
「何の肉?牛?」
「まぁ…牛に似てるけど豚よ豚。」
「ふーん?」
パクリッ
「んっこの肉あんまり美味しくねーな」
「そうなの、だからカレーなのよ、カレーっていろんなものに合うから」

私もカレーを口にした、(まずい、雌豚の味、私をこんなに苦しめて…)
「でも瑠璃料理上手くなったよなぁ、俺瑠璃を嫁に貰おうかな」
にこやかに食事を続ける斎
(そうよ、もっと食べて、そして私の愛を受け入れて…)


貴方が好きよ。愛しているわ


だから次は貴方を食べてあ・げ・る。



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