第157期 #10
秋の深まりと共に今年も残り3か月、スポーツの秋、プロスポーツの優勝シーズンに、各大学のリーグ戦も中盤を迎え、優勝の歓喜にファンや同級生の優勝祈願、残念会の飲み会がここ銀座でもちらほら、大声を出して応援、歓喜の時を一緒に過ごす、これがスポーツ観戦の醍醐味である。この時期、巷の関心はラグビーの世界選手権、次回の開催国である日本も、東京五輪の競技場の問題や、ロゴの問題など、スポーツとはかけ離れた、経済効果を表面に出す、組織委員会など、とてもスポーツ精神を台無しにする暴挙をこの1年繰り広げてきたことが露呈して、何を一体やっているんだ。遠く離れた英国の地でラ式蹴球の日本チームの快挙を誇りに思う。吉田はアメリカンラグビーと呼ばれ、プロテクターをつけるので鎧球とも戦時中は表現された、アメリカンフットボールを大学時代やっていた。隣がラグビーのグランドで、週末、お互いの試合を観戦することがあった。ラガーに聞けば我が鎧球は防具がガチガチ当たる音を脅威に感じると、我々にしてみれば、体を守る防具なのに、ヘルメットにしても衝撃を吸収して音を出している。体と体が鈍い音でぶつかるラグビーはこちらは怖くてできないぞ。テレビでは伝わらない、タックルの鈍い音、スクラムの声とともに漏れる地響きのような重厚な音、肉と肉、骨へと骨のぶつかる音、だから危険なタックル、ハイパントの事故など、危険行為のルールを厳しくしているのだろう。しかし、審判は一方的に反則を取るのではなく、細かな説明をして納得させる、英語力がないと理解できないかもなあとテレビの中継見て思った。
吉田はロンドン生活を思い出した、ヒースロー近くのテイッケナムはラグビーの聖地で日本でいうと秩父宮ラグビー場、ロンドン最初のホテルがヒースロー空港の近くだったため、電車で通りかかった試合終了後の観客も男どもが応援歌を駅のホームで何百人が大合唱していた。
行きつけの日本の居酒屋は大将が日本の大学でラグビー部出身、ラグビー経験者の憩いの場で、毎晩満席で飲むは飲むは儲かってしょうがなかったのではと思うほど。
銀座の娘たちも屈強な男の飲み会に周りの男と比較すると、飲食店の男子は体力がないものが多いので、度胸の据わった娘にとっては物足りない。ないものを持った体力に圧倒されることも多いようである。これから季節が進むと人恋しい時期になる。そして恋の物語も始まるのである。