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186期 感想の感想

●掲示板

【第186期の感想/岩西 健治さん】

「忘れ物」のびのびた
 読みやすい。味付けが固定されているのは残念に思う。そろそろ別のアプローチでもいいのではないか。これが、私の率直な感想になる。ただ、震災という時事であったり、構成であったり、物語性であったりは、否定する余地はない。他の作品が自己投影であったり私小説的であったり、解説的であったりする中において、相対的に評価は高いと言わざるを得ない。

⇒「味付け(=表現の仕方?)」については、マンネリ化している部分もあるかもしれません。あるいは、独特の作風としてプラスの価値をもつような表現になればいいとは思うのですが。
地震の話については、時事ネタとして書いたのではなく、自分の経験(熊本地震)を踏まえて少し書いてみたということです。本当はもう少しちゃんと地震のことを書いてみたいのですが、自分の経験を物語として書くのは、なかなか難しいなと思います。


●予選

2018年3月30日 5時40分47秒

災害の話ではあるけれども、ほっこりした。「子ども」は主人公を守ろうとしていたのか、
部屋を守ろうとしていたのか、その部屋に住むヒトを守ろうとしていたのか、
ただ単純にボールを作るのが楽しかったのか。いろいろと妄想できて楽しい。

⇒「子ども」がボールを作った目的が何かということはとくに考えてないので、読む人に解釈を委ねています。そういう不思議な子どもを、何の説明もなく、ただ物語の中に置いてみるという一つの試みです。

187感想

1 この街で一番の景色 ハギワラシンジ 829
セリフまわしを楽しむのかなと。
そのために、「二人は川沿いの土手を歩く。野鳥が空を飛ぶ。」みたいに、簡素な地の文になっているのかなと。
セリフ劇は私も大好きなんだけど、ちょっとセリフだけに頼りすぎて奥行きがない印象かなあ。シチュエーションがもっとあったらなあって。
演出の前景が「セリフ」で、背景が「シチュエーション」だとする。
シチュエーション、例えばこの登場人物たちの関係性がちょっとでもあると、例えば幼馴染だくらいの設定でも、セリフとシチュエーションが線で結ばれるので、奥行きがでたんじゃないのかなと。

2 猫の粒 トモコとマリコ 107
あ、超短編。文学フリマの時に超短編界隈の人と話をしてて、短編の管理人の北村さんのことを知っておられて、あーやっぱりテキストサイト黎明期のつながりってあるんだなと思った。小説家になろうが、異常に肥大したけど。
その時に聞いたんだけど、超短編は明示を好まないジャンルみたいね。あーそっかそっかと思った記憶があります。
この作品も猫の粒というガジェットを使って、これは何の象徴だろうか、と好奇心をくすぐってくる。
猫と思ったら粒を水でも戻した猫で、それにもったいないという感情を抱き、抱いたかと思うとそれはあくまで金銭的なもので、高いのは本物に近いからという世俗的なことで、で結局は本物さえ知らないとなる。
はぐらかされ具合がここちよいかな。

3 I was born shichuan 937
なんかこう、暗い感じがするんだよなあ。けど、読むと暗く書くような内容ではないし。ポジティブな話なんだかネガティブな話なんだか、よく分からなかった。
何を感じさせたかったのかな。

4 カンジャンケジャン ぷらわん 618
これは、カンジャンケジャンてワードに頼りつつ、男女の芝居を見せただけって感じ?
文体も特に凝っているわけではないし。
「減り続けるカニの塩漬けと、上下する揃った前髪。
(髪切るか、春だし)
もうすぐ18時なのに、空はまだ明るい。」
あたりの、カニと髪の対比、髪を切ることと春、季節の変化(要するに季節と感情)について、はたしてケジャンて言葉をトリガーから情景を引きだせるのかなあと。
あ、カニのハサミ、髪を切る、て連想?

5 ノイズ たなかなつみ 940
あ、ノイズに意味を聞き取ろうとする、てアイデアは面白いなと思ったのだけど、一人ガタリとかじゃなくて、ドラマに仕立ててほしかったかなあと。
耳鳴り、という五感でしか感じられてないことを文章で描かなければならない冒頭は、かなり難易度が高いのではないよなあと思った。作品の完成度を決めるポイントだったと思う。
最後、彼女がどういう状態なのか分からなかった。死んでる? 二人の距離が離れていることを暗示?

6 思い出 5895 977
あ、この「本当に俺が居て良いのか?」は蜜子の夫のセリフか。
もうちょっと整理できたんじゃないのかなあという構成。
どうして智は妹が好きなのかって説明がある程度でも変わってくると思うけど。
人が死んだのにそれに対して哀しそうでもないのは、この作品を読んだときには笑ってほしかったってこと?
「悟」は「智」の間違い?

7 巨大なおじさん 宇加谷 研一郎 1000
ヨガの先生のスケッチって感じかなあ。
いちいちのディテールが、例えば「ホルン柄の消しゴム」なんかに意味があるのかと思って気になるが、あんまり意味がないのだろうなとか。
1000文字といえど、その中に葛藤がないと、やっぱりなんのひっかりもなく終わってしまう。あ、交換を描いた作品なのかな?

8 空っぽの部屋 棚山(つなやま) 600
ただの不思議な話が、物語になるには、やっぱり葛藤とか必要だよなあと。
めちゃくちゃ描写にこだわったりすれば別なのかもしれないが。

9 灰かぶり 岩西 健治 1000
素材が殺しあってる感じか。
灰かぶり、シンデレラ、カボチャ、12時とか。そういうことやってるのに眩暈の話になったりするし。妹とは血がつながってるのかいないのかとか。パーツ同士がかすってるだけでつながってなくて混乱する。パロディなのかなんなのかと。

10 祈り 塩むすび 996
暗い話だ。これも不思議で不気味なことが続くのだけど、瞬間瞬間だけで、物語って感じがしないんだよね。CMっぽい。奇抜な演出で目をひいておけばいいんでしょ? って。
フロムダスクティルドーンって映画があって、前半はバイオレンス、後半はホラーっていう演出なんだけど、それはその映画を撮った監督のロバート・ロドリゲスが飽きっぽいからそういうシナリオになってるんだよね。あ、この話は関係ないか。
「鎮痛剤は幻肢痛にも効くのだ。」って、プラシーボになるのかそっかそっかって思った。

12 猫博士 euReka 1000
葛藤葛藤言ってるから今日はそこにばっかり目がいってしまうんだけど、スクーターにおしっこひっかけられるのをどうしようって葛藤が、地の文であっさり解決しちゃうんでカタルシスない。改行して目立たせるくらいのことはやってもよかったのではないかと。あっさり解決しちゃうから、その後の存在意義が良く分からない。
でも、このあたりのメタな表現はちょっと気になった。「時系列で言うと、一人っ子→双子の弟が登場(一年前)→猫の小便問題(半年前)→猫博士と弟の結婚(現在)、という流れになる。」

13 イドの蘇生 志菩龍彦 1000
ちゃんとドラマはあるんだけど、テーマとテイストがそんなに好きじゃないという。
「か知ら」かわいい。

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